測量の会社が農作物の販売にも取り組む理由
株式会社アイリスの事業内容には、測量や設計と並んで「地元産野菜の販売」が記されています。日頃お世話になっている地域への恩返しの一環として、地元で育った農作物を扱い、地域の方々との交流を深めているためです。仕事を通じて地域を支えるだけでなく、日常の小さなつながりを積み重ねることで、より身近な存在として関係を築いていく——そんな考え方が背景にあります。
測量業を営む会社が農作物の販売まで手がける例は多くなく、取材していて思わず理由を尋ねたくなりました。返ってきたのは、地域の活性化や豊かな暮らしに関わりたいという素直な思いで、個人的にはこの会社の地域との距離の近さが端的に表れた取り組みだと感じました。事業の幅の広さが、そのまま地元との接点の多さになっています。
草刈り・剪定から施工管理まで、現場の周辺も整える
株式会社アイリスは、測量や工事に入る前の準備として、現場周辺の環境整備や土地の維持管理を目的とした草刈り・剪定作業も請け負っています。草や枝が生い茂った環境の見通しを良くし、安全に配慮した作業空間を整えるための下ごしらえです。地域の景観保全も考えながら、周囲の状況に応じて対応しています。
施工管理の場面では、工事そのものの管理に加え、予算や安全の管理、役所への手続きや書類作成の補助まで引き受けています。作業工程を適切に調整し、無駄の少ない現場環境を整えることで、複雑な事務に追われがちな依頼側の負担を軽くしています。測量から施工の周辺業務までを一続きで任せられる守備範囲の広さが、この会社の日常を形づくっています。
セミナー開催と人材育成で、業界の裾野を広げる
株式会社アイリスは、人員不足や作業工程の削減といった現場の課題解決に役立ててもらうため、専用機器の活用法を伝えるセミナーの開催にも取り組んでいます。機械メーカーとの連携により、専門的な知識や効率化のノウハウを分かりやすく伝え、新しい技術の導入を検討する人に具体的な活用事例を示しています。自社の受注だけでなく、業界全体の底上げに目を向けている姿勢が読み取れます。
次世代を担う技術者の育成にも力を入れており、未経験からでも専門知識を身につけられるよう研修体制を整えています。資格取得のサポートを用意し、成長したいという思いを持つ人が学び始められる環境を社内に構えているためです。地元産野菜の販売から人材の育成まで、地域と業界の両方に根を張ろうとする動きが、2021年設立のこの会社の輪郭になっています。


